因業雁木

中央分水界

来尾峠から三坂峠

 三坂峠西側のP753.7に16:45分に到着、三坂峠へは30分程度かなと思って下っていたら、阿佐山がほぼ正面に見えてどんどん近づいている、5~600m下った所で左の尾根へ取り付かなければならなかったが、国土地理院のクイとテープを安心しきって辿っていた。
 少し引き返して、左への尾根を下る。此処にもクイとテープは有るが、県境尾根ではないだろう
 尾根の途中から落ち葉を敷き詰めた様ななだらかな谷へ降りた、谷には炭焼き釜が2箇所有って、砂防提を越え少し下ると別荘地。
 降りてきた谷の右岸側から林道が登っていて、朝方三坂峠はこの道の先かと回り込んでしまった所だった、 緩やかな坂を上って三坂峠に18時着、デポしておいた自転車でカーブの多い急な坂道を寒さに震えながら下った。
 瑞穂IC辺りで薄暗くなってきた、来尾峠への道は途中から急坂だからタクシーを頼むことにした。
 行き先を聞いた後で「今日はもう締めました」の返事、他のタクシーの電話番号を頼んだが、教えてもらうまで随分時間が掛かった。 電話を掛けると、「どこに居るのか」「どこへ行くのか」と2回聞かれた後で、予約が有るからと断られた。少し弾むことに成るかと思っていたがバイ、バイだ。
 来尾は、最初緩やかな登り、正面の奥の尾根が両方から落ち込んだ辺りが来尾峠か。
 左岸側へ橋を渡った辺りから少し急になって来たので自転車を諦めた、ザックも降ろしてとっぷりと暮れた道を登った。 だんだんと急になってきてとうとう足が止まった、疲れていても歩く気が有れば足は動くと思っていたが、いつものヘロヘロヨタヨタの心地良さは無く、体が重く不安感もある。
 道路脇の畦に座って少し休む、、歩き出すと肌と接していなかったシャツの部分が冷たくなってきていた、いよいよ急になった所で万事休す、とてもこんな所を後1時間歩けない明かりの漏れる家の戸を叩いた。  「何ですか」「お休みのところ申し訳有りませんが来尾峠まで送ってもらえないでしょうか」
   「いいですよ」良かった! 断られると次の家の戸を叩くのは気が重すぎる、一瞬ボーとした
 すぐにエンジンが掛かって「どうぞ」とドアが開いた。うねうねと急坂を登る、「何処へ行かれたのですか」「来尾(キオ)峠から三坂峠まで歩いて、自転車でこの下まで帰ってきたのですが歩けなくなりました」「あれはキタオです」
 別れ際にいくばくかのお金を渡そうとしたが受け取ってもらえなかった、「これも何かの縁ですから」
 「イャ~そうゆう訳にはいきませんよォ~」「じゃぁコーヒー代だけ貰いましょう」喫茶店のコーヒー代?どれ位するんだろう??、、「缶コーヒー代でいいですよ」こっちの気持ちをごり押しする状況にはさらさら無く、キッチリと缶コーヒー代を差し出した、「じゃぁ気お付けて帰ってください」「お世話になりました」   自転車とザックを拾って、瑞穂ICから高速道へ。 体が温まってきた頃から何か変
「眠い」と言う感覚は無かったが、一瞬意識が飛んだのかガードレールが寄ってきている、居眠り運転とはこうゆう事か、安佐SAで一眠り。
 カクンと体が揺れて目を覚ましたが2~3分しか経っていなかった、3回目のガクンは凡そ20分後で運転の感覚が全然違う、10時前に無事帰宅。
 3時に起床して11時に布団の中へ長い1日を終えることが出来た。

来尾の社長ありがとう
気持ちのいい人に出会えた、タクシーのオヤジもある意味良いオヤジだった。ZZZzzz

 追記。杭とテープは、国土交通省の行っている国土調査(地籍調査、土地分類調査、水調査)でした。